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卍ファイル vol.109 きょうはカメくんのたんじょうび

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きょうはカメくんのたんじょうび / エリザベス・ショー作・絵・さいとうひさこ訳

読んでみて はじめてわかる ウケる場所

こう見えてなかなか、素直な気持ちで子供に読んであげられる本ではないのです。

「きょうはカメくんの誕生日」ということで、いろんな友達がいろんなプレゼントを手に訪ねてくれますが、当のカメくんは「ありがとう、でもレタスだったらいいのにな」と、ことごとくダメ出しをするのです。
なんなんでしょうか。ノホホンとずぶといカメさんという設定なんでしょうか。

映画では、プレゼントというモノは、ためらいなしに包装をバリバリに破くものらしく、そういうシーンを見た時、なにか後ろめたさを感じ心が疼きました。更に、もらった人がプレゼントを見た途端、いやな顔をしたことにびっくり、あげた方も心得ていて、「あ〜はいはい、二人で交換に行きましょう」なんていう会話をするので更にびっくりしたことを思い出しました。たしか親子だったと思うのですが、アメリカってそこまでさばけているのかと。

有難がられないプレゼントは、毎回、もってきた友達が自分で堪能して帰っていきます。中でも、カバくんがバケツの泥を地面にぶちまけてころがり回る場面はいつも大ウケで、姪が「水で洗わなきゃいけないね〜」と言い、私が「そうだね〜」と相槌を打つパターンができあがっています。これを楽しむために読んでいると言ってもいいでしょう。そして一日の終わりにカメくんは一人、みんなが来てくれたことをありがたく思い、でもレタスがなかったことを悲しみ、来年は誰かくれるかもしれないと涙を流すのです。結局は、一番仲良しのネズミくんが持ってきてくれて大喜びで一気食い。ご満悦で眠りにつきます。この流れ、私はスッキリしないのです。

別に作者は、言いたいことははっきり言おう!とか 自分に正直に!とか相手のことをよく考えた行動をとろう!とか形式をなぞっただけの手抜きではいけないぞ!とかお互い歩みよりましょう!とか 動物ってみんなバカ!とか、そういったことを訴えたい意図はないと思うのです。文化の違い、国民性の違いを如実に感じました。

とはいえ、絵柄がかわいらしくて大好きなことと、この内容自体、「好きじゃない」で片付けられない所があって、結局愛読書に。不思議な一冊です。

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